どんな職業か
企業などの依頼により労働社会保険の手続などを代行するとともに労務管理などの相談・指導にあたる。 勤労者の福祉のため、労働災害や傷病、失業、年金などについては、国が運営する労働保険や社会保険の制度がある。また、勤労者の生活を守り、福祉向上を図り、良好な環境で働くことができるように労働基準や安全衛生をはじめとする様々な法律がある。 事業主は、これらの法律にしたがって労働基準監督署、公共職業安定所、年金事務所などに、各種の申請書や届出書、報告書を提出しなければならないが、中小企業などで専門の担当職員を置いていない場合などには、外部の専門家に依頼することとなる。 社会保険労務士は、労働保険・社会保険諸法令、人事労務管理についての専門家として、企業から依頼を受け、法律で定められている申請書、届出書、報告書など様々な書類を作成し、行政機関への提出に関する手続を代行する。また申請書等に係る行政機関の調査や処分に対する主張・陳述の代理を行う。 このほか、従業員の採用から退職までの様々な問題についても相談を受け、指導を行う。賃金や労働時間、休日などの定め方、昇進・配置転換などの方針、職場の安全衛生や健康管理、仕事に関する教育訓練の進め方などについて、指導や助言を行い、企業による就業規則や給与規程の作成・整備を支援する。 なお、関連する研修を終了し試験に合格すると、特定社会保険労務士として、裁判によらず話し合いによって個別の労働関係のトラブルを解決するADRで、労働者又は経営者の代理人として、紛争の解決を支援することができる。また、補佐人として、労働社会保険に関する行政訴訟の場面や、個別労働関係紛争に関する民事訴訟の場面で、弁護士とともに裁判所に出頭し、陳述することができる。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.2 | 70 / 498 | 上位14% |
| 説明力 | 4.8 | 78 / 498 | 上位16% |
| 読解力 | 4.8 | 84 / 498 | 上位17% |
| 文章力 | 4.7 | 75 / 498 | 上位15% |
| 説得 | 4.4 | 47 / 498 | 上位9% |
| 指導 | 4.3 | 90 / 498 | 上位18% |
| 交渉 | 4.2 | 51 / 498 | 上位10% |
| 他者の反応の理解 | 4.2 | 86 / 498 | 上位17% |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.1 | 69 / 498 | 上位14% |
| 他者との調整 | 4.1 | 118 / 498 | 上位24% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 人事労務管理 | 4.2 | 1 / 508 | 上位1% |
| 法律学、政治学 | 3.7 | 15 / 508 | 上位3% |
| 事務処理 | 3.4 | 23 / 508 | 上位5% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.8 | 100 / 508 | 上位20% |
| ビジネスと経営 | 2.5 | 25 / 508 | 上位5% |
| 日本語の語彙・文法 | 2.4 | 67 / 508 | 上位13% |
| 経済学・会計学 | 2.2 | 33 / 508 | 上位6% |
| 教育訓練 | 2.1 | 66 / 508 | 上位13% |
| 販売・マーケティング | 1.8 | 131 / 508 | 上位26% |
| 社会学 | 1.6 | 115 / 508 | 上位23% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 発話表現 | 3.6 | 41 / 426 | 上位10% |
| トラブルの察知 | 3.6 | 90 / 426 | 上位21% |
| 記述理解 | 3.5 | 43 / 426 | 上位10% |
| 記述表現 | 3.5 | 59 / 426 | 上位14% |
| 発話理解 | 3.4 | 56 / 426 | 上位13% |
| 演繹的推論 | 3.2 | 78 / 426 | 上位18% |
| 帰納的推論 | 3.1 | 113 / 426 | 上位27% |
| 記憶力 | 3 | 103 / 426 | 上位24% |
| 法則に基づいた情報の並べ替え | 2.7 | 181 / 426 | 上位42% |
| マルチタスク | 2.6 | 289 / 426 | 上位68% |
仕事内容
- 企業などの依頼により労働法令や労働社会保険の手続きなどを代行するとともに、労務管理などの指導にあたる。
- 労働保険・社会保険諸法令についての各種書類を事業主の依頼を受けて作成する。
- 作成した各種書類の官公署への提出を代行する。
- 申請書やそれらに係る調査や処分に関する主張・陳述の代理を行う。
- 従業員の給与計算を代行する。
- 従業員の選抜、昇進、査定、研修のための方法と技術を評価・改善する。
- 研修プログラムのカリキュラムおよび資料の計画・開発を援助する。
- 会社の経営戦略や経営計画の立案を補助する。
- 年金に関する相談に対応する。
- 職場の安全衛生や従業員の健康管理について指導や助言をする。
- 昇進・配置転換などの方針、仕事に関する教育訓練の進め方などについて、指導や助言をする。
- 障害者福祉に関する助言や指導を行う。
- 従業員から聞き取りを行い、職務、組織、職業に関する情報を収集する。
- 行政からの調査に対し、事業主に代わり、または事業主と共に立ち会う。
- システムの電子化を支援する。
- 相談会などを企画・開催する。
- 組織、職業、業界のデータを分析し、経営に役立つ情報を顧客企業に提供する。
- 同業者との勉強会に参加する。
- 個別労働関係紛争の解決を支援する(特定社会保険労務士のみ)。
なるには
社会保険労務士になるには、社会保険労務士試験に合格した後に、全国社会保険労務士会連合会に備える社会保険労務士名簿に登録(実務経験2年以上又は事務指定講習の修了が必要)することが必要である。 また、2016年に、社員が1人の社会保険労務士法人(以下「一人法人」という。)の設立等を可能とする規定が施行され、これまで2人以上の社員による設立が必須であった社会保険労務士法人について、社員が1人でも社会保険労務士法人を設立することが可能となった。 資格を取得した社会保険労務士の多くは独立して開業することになるが、開業後も自主的・計画的・継続的に自ら研修・研究を行うことが大切である。 労働保険・社会保険、人事労務関係の諸手続については、関係の法律や規則がたびたび改正されるため、常に新しい情報を入手し、勉強する必要がある。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.8 |
| 高卒 | 0.1 |
| わからない | 0.1 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 専門学校卒 | 0.0 |
| 高卒未満 | 0 |
関連する資格
- 社会保険労務士
給料
賃金構造基本統計調査では「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には5の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 618千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 2,060千円 |
| 平均年齢 | 40.7歳 |
| 平均勤続年数 | 9.3年 |
| 労働者数 | 2,936人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤290.6千円
- ≤319.3千円
- ≤357.6千円
- ≤386.2千円
- ≤1,101.8千円
その他の経営・金融・保険専門職業従事者の都道府県別の給料を見る
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
事務所を独立開業するほか、社会保険労務士事務所に従業員として所属したり、大企業や団体などの従業員として労働・社会保険関係の仕事をする人もいる。事務所への仕事の依頼は、担当の事務員を置くことが難しい中小企業からが多い。 企業に所属せず、独立している場合は定年がないので何歳まででも働くことができる。 依頼主の都合や書類提出の期限などによって一定の時期に仕事が集中すると、残業が必要な場合もあるし、休日も不規則となる。 収入については、独立した場合だと個人差が大きい。経験を重ねて信用を得て、顧客企業が増えると収入も増える。 最近は雇用就業の面で変化が大きく、企業における人事労務管理はよりきめ細かい対応が必要となっており、労働社会保険関係の諸手続の代行だけでなく、企業の様々な問題の相談、指導に当たることが求められている。また、年金への関心が国民の間で高まり、年金相談等一般の人々からの相談対応も重要である。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 弁護士近さ 0.795
- 人事コンサルタント近さ 0.772
- 司法書士近さ 0.771
- 行政書士近さ 0.769
- 税理士近さ 0.767
- 企業法務担当近さ 0.757
- コンプライアンス推進担当近さ 0.725
- キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント近さ 0.714
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)