どんな職業か
専門的な法律知識に基づき、不動産や会社の登記を代理したり、裁判所等に提出する書類を作成する。また一定の条件のもとに簡易裁判所における民事訴訟・和解・調停などの代理業務を行う。このほか、高齢者や障がい者などの判断能力が不十分な人々の権利や財産を保護するため、専門職後見人として財産管理や法律面での支援を行っている。 土地を購入・相続したり、家を新築した場合に、法的な権利を主張するためには登記の手続が必要となる。新たに会社を設立した場合にも登記の手続が必要となる。また、金銭の貸し借りでトラブルが起きた場合などには、法律に基づいて所要の手続をしなければならず、訴訟が必要になることもある。これらの手続は法律の専門的な知識に基づいて的確に行うことが必要であり、このような市民社会を支える法律手続を代理して行っているのが司法書士である。 仕事の範囲は広く、その中で最も多いのが、土地や建物を売買するときに必要な「不動産登記」の手続である。「登記」とは、土地や建物などの財産についての権利を公的に示すために、法務局にある「登記ファイル(登記簿)」と呼ばれる台帳に記録することである。 土地の登記の依頼を受けた場合、まず登記事項証明書を確認し、土地の場所や広さ、所有権の名義人などを確認する。次にその土地を売却した人と購入した人から登記申請を代理として行うための委任状を受け取り、売買契約書や法務局の発行した登記識別情報又は権利証、市町村の発行する売主の印鑑証明書などを精査した上で、申請書などの必要書類を作成し、法務局へ提出する。 また、法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所の事物管轄の範囲内での民事訴訟手続、即決和解手続、支払督促手続、民事調停手続、裁判外の和解等の代理及びこれらに関する相談業務を行うことができる。 この他に、会社の設立や合併、支店の開設などの登記手続、供託の手続を代理して行っている。また、金銭面のトラブルや職場のトラブル、契約のトラブルなど、日常生活で発生する様々な法的トラブルに巻き込まれたときなどに、弁護士等の代理人を立てずに自分で裁判を行う場合、依頼を受けて司法書士が訴訟関係の裁判所提出書類の作成を行うこともある。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.3 | 57 / 498 | 上位11% |
| 読解力 | 5.0 | 48 / 498 | 上位10% |
| 説明力 | 5.0 | 49 / 498 | 上位10% |
| 文章力 | 4.9 | 59 / 498 | 上位12% |
| 説得 | 4.5 | 37 / 498 | 上位7% |
| 複雑な問題解決 | 4.4 | 37 / 498 | 上位7% |
| 他者との調整 | 4.3 | 76 / 498 | 上位15% |
| 交渉 | 4.3 | 44 / 498 | 上位9% |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.1 | 67 / 498 | 上位13% |
| 他者の反応の理解 | 4.1 | 89 / 498 | 上位18% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 法律学、政治学 | 4.1 | 9 / 508 | 上位2% |
| 事務処理 | 3.4 | 22 / 508 | 上位4% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.4 | 173 / 508 | 上位34% |
| 日本語の語彙・文法 | 2.4 | 68 / 508 | 上位13% |
| コミュニケーションとメディア | 1.6 | 196 / 508 | 上位39% |
| ビジネスと経営 | 1.5 | 165 / 508 | 上位32% |
| 人事労務管理 | 1.5 | 108 / 508 | 上位21% |
| 経済学・会計学 | 1.5 | 90 / 508 | 上位18% |
| 販売・マーケティング | 1.2 | 258 / 508 | 上位51% |
| 通信技術 | 1.0 | 200 / 508 | 上位39% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 記述表現 | 3.8 | 24 / 426 | 上位6% |
| 記述理解 | 3.8 | 19 / 426 | 上位4% |
| 発話表現 | 3.8 | 22 / 426 | 上位5% |
| 発話理解 | 3.7 | 23 / 426 | 上位5% |
| トラブルの察知 | 3.5 | 125 / 426 | 上位29% |
| 記憶力 | 3.3 | 26 / 426 | 上位6% |
| 帰納的推論 | 3.1 | 95 / 426 | 上位22% |
| 演繹的推論 | 3.1 | 111 / 426 | 上位26% |
| 法則に基づいた情報の並べ替え | 3.1 | 67 / 426 | 上位16% |
| マルチタスク | 2.9 | 163 / 426 | 上位38% |
仕事内容
- 専門的な法律知識に基づき、不動産や会社の登記を代理し、裁判所や法務局に提出する書類を作成する。
- 土地や建物を売買するときに必要な登記の手続きを行う。
- 住宅ローンの完済等に伴って、抵当権抹消登記の手続きを行う。
- 会社の設立や合併、支店の開設などの登記手続、供託の手続きを代行する。
- 戸籍等の関係書類を取得する。
- 生前贈与などに伴って、名義変更登記の手続きを行う。
- 相続登記や遺産整理など、相続に関連する手続きを行う。
- 遺言書の作成を援助する。
- 契約書の作成を支援する。
- 当事者から事情を聞き、法廷で必要な手続き内容を整理し、各種書類を作成して裁判手続きを援助する。
- 簡易裁判所における訴訟代理業務を行う。
- 少額訴訟判決に基づく強制執行代理業務を行う。
- 相手方との和解交渉業務を行う。
- 成年後見人として、被後見人の法律行為を代理で行う。
- 法律相談会を企画・開催する。
なるには
国家試験である司法書士試験に合格し、日本司法書士会連合会の司法書士名簿への登録と司法書士会への入会が必要である。受験資格に制限はないが、法的専門知識及び実務についての知識が必要とされる。 合格後すぐに事務所を開業することは少なく、司法書士事務所に勤めて、経験を積んでから開業するのが一般的である。 新しい法律や法令改正の動きを常に把握しておくために、開業後も日本司法書士会連合会や司法書士会が実施する研修会や研究会に積極的に参加し、勉強を続ける努力が必要である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.8 |
| 高卒 | 0.1 |
| わからない | 0.1 |
| 短大卒 | 0.0 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.0 |
| 高卒未満 | 0 |
関連する資格
- 司法書士
給料
賃金構造基本統計調査では「法務従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には7の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 770.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,967.2千円 |
| 平均年齢 | 51.2歳 |
| 平均勤続年数 | 5.6年 |
| 労働者数 | 2,435人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤273.5千円
- ≤408.7千円
- ≤475.1千円
- ≤604.6千円
- ≤1,332.5千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
司法書士事務所は、全国に広く分布しており、主に法務局や裁判所の周辺に多く、また大都市とその周辺ではオフィス街に集中している。登記を中心に全般的に取り扱う事務所と、法人登記、不動産登記、訴訟関係などの各分野を専門的に取り扱う事務所がある。 事務所を経営する場合、開所時間は手続をする法務局や裁判所の開庁時間に合わせることが多い。したがって土日祝日は休みにする傾向がある。独立して開業する場合、自分で休日や労働時間を決められる利点はあるが、法務局や裁判所への届出や手続には期限が定められているものも多いため、仕事が集中する時期には残業や休日に働くことが必要になることもある。 市民の間での権利意識の高まりや社会の複雑化に伴い、様々な民事事件や家事審判、調停、成年後見などで、司法書士の重要性も改めて認識されている。なお、現在は司法書士の報酬が自由化されているが、算定方法や諸費用を明示し、依頼者との合意によって決定することが求められる。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 行政書士近さ 0.881
- 税理士近さ 0.784
- 社会保険労務士近さ 0.771
- 企業法務担当近さ 0.763
- 弁護士近さ 0.743
- パラリーガル(弁護士補助職)近さ 0.648
- ファイナンシャル・プランナー近さ 0.637
- 損害保険事務近さ 0.629
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)