どんな職業か
企業は毎年決算を行い、資産状態や経営成績を「財務諸表」として発表するが、これが正しいかどうか、独立した第三者の立場で監査し、証明するのが仕事である。会計と監査の専門家として目を光らせる「お目つけ役」といえる。 企業ではコンピュータでの処理が進展しているため、「監査」の仕事は、公認会計士に情報処理の専門家が加わり、契約を結んだ企業へ出かけ、帳簿類のチェックや銀行預金の確認などを手分けして作業する。棚卸しにも立ち会う。このような調査のあと、企業の会計処理について公正ではないと判断した場合は、指導を行う。そして最終的には、企業が作成した財務の報告が適正かどうかの意見をまとめた「監査報告書」を作成する。このような監査は企業のみならず、学校法人、独立行政法人や地方公共団体等についても行われる。監査の仕事は、公正な立場でのぞむ必要がある。公認会計士には、正義感と独立性の維持を心がけることが大切である。また、公認会計士法では、「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。」と規定している。 公認会計士は、税理士登録することにより「税務」の仕事も行うことができる。企業や個人の納税申告書を作成したり、税金に関する相談やアドバイスをする。他に、企業の「財務諸表」を作成する「会計」の仕事、経営戦略などを提案するコンサルティング、「マネジメント・コンサルティング・サービス(MCS)」の仕事がある。 これらの他に、社会的役割として、地方公共団体の監査委員、外部監査人、商工会議所の経営アドバイザーなどに従事する者もいる。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.7 | 20 / 498 | 上位4% |
| 説明力 | 5.5 | 14 / 498 | 上位3% |
| 読解力 | 5.4 | 24 / 498 | 上位5% |
| 文章力 | 5.4 | 19 / 498 | 上位4% |
| 説得 | 4.9 | 13 / 498 | 上位3% |
| 指導 | 4.9 | 20 / 498 | 上位4% |
| 他者との調整 | 4.8 | 23 / 498 | 上位5% |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.8 | 27 / 498 | 上位5% |
| 継続的観察と評価 | 4.7 | 15 / 498 | 上位3% |
| 交渉 | 4.7 | 17 / 498 | 上位3% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 経済学・会計学 | 4.2 | 1 / 508 | 上位1% |
| 事務処理 | 3.4 | 18 / 508 | 上位4% |
| ビジネスと経営 | 2.9 | 12 / 508 | 上位2% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.7 | 131 / 508 | 上位26% |
| 法律学、政治学 | 2.3 | 46 / 508 | 上位9% |
| 日本語の語彙・文法 | 2.0 | 106 / 508 | 上位21% |
| 人事労務管理 | 1.9 | 47 / 508 | 上位9% |
| 外国語の語彙・文法 | 1.8 | 75 / 508 | 上位15% |
| 販売・マーケティング | 1.7 | 141 / 508 | 上位28% |
| コミュニケーションとメディア | 1.4 | 230 / 508 | 上位45% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 記述表現 | 3.8 | 19 / 426 | 上位4% |
| 発話表現 | 3.8 | 21 / 426 | 上位5% |
| 記述理解 | 3.7 | 22 / 426 | 上位5% |
| トラブルの察知 | 3.7 | 50 / 426 | 上位12% |
| 帰納的推論 | 3.7 | 8 / 426 | 上位2% |
| 演繹的推論 | 3.6 | 11 / 426 | 上位3% |
| 発話理解 | 3.6 | 30 / 426 | 上位7% |
| マルチタスク | 3.4 | 18 / 426 | 上位4% |
| カテゴライズ | 3.3 | 9 / 426 | 上位2% |
| 演算力 | 3.3 | 6 / 426 | 上位1% |
仕事内容
- 企業などからの依頼を受け、財務書類を監査し、企業の会計が適正に行われているか監査報告書によって意見表明を行う。
- 企業から受け取った帳簿、伝票などの経理についての書類のチェックや銀行預金の確認などをする。
- 財務書類の作成や会計処理に関する指導をする。
- 監査報告書を作成して、財務諸表などの会計書類が適正に作成されているか意見表明を行う。
- 会計処理について公正ではないと判断した場合は指導をする。
- 内部統制に関わる書類の作成支援やチェックを行う。
- IT統制の監査や、ガバナンスの構築支援を行う。
- 委託業務に関する監査証明を行う。
- 企業が株式公開するための管理体制構築等の助言をする。
- 主に財務面から経営に関するコンサルティングをする。
- 企業再編の計画を立てるなど、再生支援のためのコンサルティングをする。
- 海外の株式市場への上場や、海外の会計基準に基づく財務諸表の作成を支援する。
- 銀行との折衝を支援する。
- M&Aの際に、バリエーションや財務デューデリジェンス業務を行う。
- 社外取締役や社外監査役として、会社経営への提言を行う。
- 地方公共団体の監査委員、外部監査人などに従事する。
- 税理士登録を行い税金に関する助言・指導を行う。
なるには
公認会計士になるためには、公認会計士試験に合格すること及び3年以上の業務補助等の経験、更に、専門的な研修である実務補習を受けて必要単位を取得した後に、日本公認会計士協会による修了考査に合格し、名簿登録をする必要がある。 公認会計士は、多くの者が監査法人等に就職するが、一般企業に就職し経験を積む者もいる。また、監査法人等を退職し独立して個人事務所を開設したり、起業したり、一般企業に転職してコンサルティングを行ったりと様々な活躍をする人もいる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.8 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.2 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
| 高卒 | 0.0 |
| 短大卒 | 0.0 |
| 博士課程卒 | 0.0 |
関連する資格
- 公認会計士
給料
賃金構造基本統計調査では「公認会計士,税理士」として集計されています(2023年・全国)。この区分には2の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 506.4千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,390.5千円 |
| 平均年齢 | 39.4歳 |
| 平均勤続年数 | 8.3年 |
| 労働者数 | 2,113人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤300.4千円
- ≤389.9千円
- ≤462.5千円
- ≤546.7千円
- ≤946.7千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
公認会計士の仕事の対象は大企業が多く、本社は大都市に集まっているため、多くの公認会計士は東京などの大都市で働いている。 公認会計士の収入は、監査法人等に勤務している場合は毎月安定した収入が得られる。独立して個人事務所を開業している場合、顧客の数、仕事の内容により差がある。開業している公認会計士は年収が数千万円になることもある。 監査の仕事は、顧客企業の支社、支店、工場等に往査で出掛けるため、出先で仕事をすることが多い。また、海外の支社、子会社等の監査のため海外出張が多い人もいる。 高年齢まで働くことができ、監査法人等を定年退職後に、大企業の監査役に就任する人や大学等の教授となる人もいる。最近では女性の進出も目立っており、公認会計士試験合格者の約2割が女性となっている。 通常の企業の決算に対する監査だけではなく、近年では、上場企業の四半期決算の開示や内部統制の監査などが加わり、また、会計の国際化によって、日本においても国際会計基準の任意適用が次第に増えており、公認会計士に対する社会的なニーズは根強い。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- アクチュアリー近さ 0.867
- IR広報担当近さ 0.837
- 税務事務官近さ 0.827
- 内部監査人近さ 0.819
- 人事課長近さ 0.791
- ファンドマネージャー近さ 0.791
- 人事コンサルタント近さ 0.787
- 銀行支店長近さ 0.771
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)