どんな職業か
特許庁は、生活を支える様々な発明を守り、次世代のイノベーションを促す役割を担う。具体的には、知的財産権のうち特許、実用新案、商標、意匠の4つの権利(産業財産権)を所管しており、このうち特許は、発明、すなわち、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものを保護の対象としている。特許審査官は、特許庁に勤務し、出願された発明を最新技術や法律的な知識に基づき審査し、特許性を判断する。 特許審査官は、まず、出願された書類を精査し、発明内容を理解するとともに、庁内外の検索システムを用いて、世界中の特許文献や学術論文のデータベースから過去に類似の技術がないか、先行技術調査を行う。出願された発明と先行技術との比較を行い、特許性があると判断した場合は特許査定を、ないと判断した場合は拒絶理由通知を行う。拒絶理由通知に対しては、出願人は意見・補正等の応答を行うことができ、出願人とのやり取り(基本的には書面であるが、面接審査が行われる場合もある)を踏まえて再度審査をし、最終的に特許査定、拒絶査定をする。審査は審査官が単独で行うが、判断が難しい場合など必要に応じて他の審査官との意見交換や協議も行われる。特許となった出願については特許公報が発行されるが、その特許公報には特許査定をした審査官名も掲載される。特許権を適切に設定することで、日本の産業の発展に貢献する。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 特許検索システム、文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 読解力 | 6.4 | 3 / 498 | 上位1% |
| 文章力 | 5.6 | 13 / 498 | 上位3% |
| 外国語を読む | 5.3 | 6 / 498 | 上位1% |
| 論理と推論(批判的思考) | 5.3 | 12 / 498 | 上位2% |
| 新しい情報の応用力 | 5.3 | 3 / 498 | 上位1% |
| 説明力 | 5.2 | 33 / 498 | 上位7% |
| 傾聴力 | 4.8 | 138 / 498 | 上位28% |
| 指導 | 4.6 | 48 / 498 | 上位10% |
| 外国語で書く | 4.1 | 12 / 498 | 上位2% |
| 説得 | 4.1 | 97 / 498 | 上位19% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 日本語の語彙・文法 | 4.0 | 10 / 508 | 上位2% |
| 法律学、政治学 | 3.8 | 14 / 508 | 上位3% |
| 工学 | 3.4 | 4 / 508 | 上位1% |
| 化学 | 3.2 | 5 / 508 | 上位1% |
| 物理学 | 3.1 | 4 / 508 | 上位1% |
| コンピュータと電子工学 | 3.1 | 11 / 508 | 上位2% |
| 外国語の語彙・文法 | 3 | 12 / 508 | 上位2% |
| 数学 | 2.9 | 9 / 508 | 上位2% |
| 事務処理 | 2.5 | 119 / 508 | 上位23% |
| 生物学 | 2.4 | 22 / 508 | 上位4% |
なるには
国家公務員総合職試験(大卒程度試験、院卒者試験)の技術系区分に合格する必要がある。専門分野としては、工学系、化学・生物・薬学系、数理科学・物理・地球科学系、農学系のあらゆる試験区分の合格者の中からまんべんなく採用されている。採用人数は年度によって異なるが、2025年度は65人、そのうち女性は24人である。 採用後は約3か月の研修を経て審査官補に任用され、指導審査官によるマンツーマン指導の下に実際の出願案件の審査を行う。また、法令、条約、審査実務の専門知識を習得する前期研修(約2か月)、後期研修(約1か月)のほか、英語研修や企業での技術研修などを経て、大卒では入庁5年目に審査官に昇任するのが一般的である。修士卒は4年目、博士卒は3年目に審査官に昇任することができる。 基礎的な知識の習得のための研修のほか、技術動向、法律、海外判例等を把握できる研修制度、留学制度も充実している。 発明の審査という高度な専門性を必要とする仕事であり、最新の技術動向に関心を持ち、担当分野の研究開発情報を収集する向上心が求められる。また、出願人や利害関係者が納得できる審査を行うためには、論理的な思考力や合理的な判断力、バランス感覚が必要である。さらに、書面でのやり取りが多いため、論述能力も重要であり、海外論文を調査することも多いことから、英語力も不可欠である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 1.0 |
| 大卒 | 0.5 |
| 博士課程卒 | 0.4 |
| 高卒未満 | 0 |
| 高卒 | 0 |
| 専門学校卒 | 0 |
給料
賃金構造基本統計調査では「法務従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には7の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 770.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,967.2千円 |
| 平均年齢 | 51.2歳 |
| 平均勤続年数 | 5.6年 |
| 労働者数 | 2,435人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤273.5千円
- ≤408.7千円
- ≤475.1千円
- ≤604.6千円
- ≤1,332.5千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
主な就業場所は東京の特許庁である。ただし、他省庁や関係機関、大学等へ出向、海外勤務の機会もある。 特許審査官の定員は2025年度現在1,668名であり、特許庁定員の60.0%を占める。近年は採用者のうち女性の割合は3分の1程度である。 給与、勤務時間、休暇、福利厚生等の労働条件は国家公務員法の規定による。 審査業務は基本的に審査官が単独で案件を担当する形を取っており、ある程度自分のペースで仕事を進めることができる。フレックスタイム制度などを活用し、ライフスタイルに合わせて働くことも可能である。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 弁理士近さ 0.837
- 知的財産コーディネーター近さ 0.711
- 知的財産サーチャー近さ 0.694
- 産業用ロボット開発技術者近さ 0.583
- 科学捜査研究所鑑定技術職員近さ 0.557
- 造船技術者(船舶の開発・設計)近さ 0.549
- 企業法務担当近さ 0.539
- バイオテクノロジー研究者近さ 0.505
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)